訪問入浴における看護師の役割
訪問看護で一番気を使うのは入浴!
訪問看護の業務の中で、特に患者さんへの配慮が求められるのは「入浴介助」です。
足場が悪い浴室は転倒しやすいだけでなく、入浴は体温の上下が激しいので体の容態を悪化させるリスクが高まります。さまざまなアクシデントの可能性を秘めている入浴介助で、少しでも気を抜けば命に関わる大惨事を引き起こしてしまいます。安全に入浴を行うためには、あらゆる危険を予測し、スムーズに素早く作業を進めていくことが大切です。
入浴業務に限らず、訪問看護では患者さんの身体の安全を守ることが第一!しかし、お風呂はみんながリラックスできる安らぎの時間でもあります。身体の安全だけを考えて事務的に入浴を終わらせようとするのではなく、患者さんを「気持ちいいな~」と満足させてあげる温かい心遣いも忘れないでくださいね。
訪問入浴の流れとポイント
訪問入浴の流れと入浴介助で押さえておきたいポイントを説明します。
【①バイタルチェック】
まず入浴前に、患者さんの血圧・体温・脈拍を測り入浴できる状態であるかを確認します。
【②入浴準備】
介護専用の浴槽を使う場合には、室内に浴槽を運び入れます。そして患者さんの体の具合、要望に合わせて適温のお湯を浴槽に張ります。
【③脱衣・移動サポート】
患者さんの脱衣を手伝い、安全に浴槽まで移動させます。入浴は身体が置かれる環境が大きく変わるので、相手に無理がないよう慎重にエスコートしましょう。
【④入浴】
身体にストレスを与えないようにゆっくりお湯に浸からせていきます。そして洗髪・洗顔を行います。目や耳に泡と水が入らないようにタオル等でしっかりカバーしておきましょう。
【⑤移動サポート・着衣】
足元に気をつけながら、患者さんを浴槽の外に移動させます。ここで肝心なポイントは、急な温度差に気をつけること。着衣は、湯冷めしてしまわないように素早く済ませましょう。
【⑥入浴後のバイタルチェック】
入浴で患者さんの身体に異変が起きていないか最終チェックを行います。
安全な入浴介助を行うためのアドバイス
安全な入浴介助を行うために気をつけたいこととは一体何でしょうか?
まず1つ目は「声かけ」。移動するときはもちろんですが「今から洗い流しますね~」などひとつひとつの作業をこまめに口頭で伝えることが大事です。相手に安心感を与えるだけでなく、コミュニケーションをとることで、異変が起きていないかの確認にもなります。
2つ目は「体温調節」。環境温度の変化が大きい入浴は、患者さんの身体に負担がかかりやすいです。少しでも身体にストレスを与えないために
①脱衣所の温度を適温にしておく(扇風機・ファンヒーター等で)
②入浴前のかかり湯は、手足(心臓から遠い場所)からゆっくりかける
上記の2項目を守るようにしましょう!
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